ひとつ教えてあげよう。先月末のことだ。カリフォルニア州オンタリオの3PL倉庫に、午前7時の荷下ろし予約で乗り込んだ。すでに4台のトラックが前に並んでいた。ドック脇のカスタマーサービス窓口が開いていて、運転席から3時間ずっと電話の音を聞いていた。

午前7時10分から午前10時まで、その電話は鳴り止まなかった。応対していた若い女性は声がかすれ始め、かかってくる電話のほとんどは同じ内容だった。「私の貨物はどこ?」「何時に荷下ろしできる?」「予約番号は何?」ある荷主は10分間に3回も電話をかけてきて、ただ自分のトラックがゲートに着いたかどうかを聞いていた。これまで何年も路上を走ってきて、こんな光景は数えきれないほど見てきた。そしてこれはこの倉庫だけの話じゃない。訪れる倉庫の10軒中8軒は、まさにこの通りだ。

これが教えてくれるのはこういうことだ。カスタマーサービス担当者(CSR)は難しい問題に溺れているわけじゃない。繰り返しの質問に溺れているんだ。1日に100件の電話、その70%から80%はステータス確認、予約確認、ゲートの営業時間。情報は全部システムの中にあるのに、それを声に出して言う人がいない。本当に人間の頭を必要とする複雑な案件は「明日折り返します」に追いやられてしまう。

そして、ほとんどの人が考えないポイントがもうひとつある。時差だ。荷主は東海岸にいるかもしれない。あなたの時間で午前1時、彼の時間で午前4時。彼は店を開けようとしていて、知りたいのはただ自分の貨物の居場所だ。誰も電話に出ない。彼に何ができる?朝まで気を揉んで、また電話をかけて、あなたのCSRは最初から説明をやり直す。

少し前のこと。ロサンゼルス東部エリアでECフルフィルメントをやっている3PLが、AIカスタマーサービスシステムを導入した。そこの配車担当とは親しくて、事の顛末を全部聞いた。社長は最初不安がっていた。機械が失敗して顧客を失うんじゃないかと。だから最初は2種類の質問だけから始めた。「私の貨物はどこ」と「何時に荷下ろしするか」。3か月後、結果は明らかだった。午後8時から午前7時まで、以前はまったく無応答だった夜間の問い合わせが、すべて受け取られるようになった。簡単なものはその場で回答され、やっかいなものは人に回され、CSRは朝一番で引継ぎログを確認する。チームは6人から4人に。解雇はなしで、空いた人員は例外対応に移った。以前はそんな時間はまったくなかった。電話は鳴り止まなかったからだ。

でも、裏側も見てきた。別の倉庫では、社長が「AIを入れれば問題は解決した」と考え、すべての電話をまず機械に通すようにした。ある日、荷主が聞いた。「私の貨物は明日何時にAmazon倉庫に届く?」AIはシステムから推定時刻を引っ張ってきて答えた。問題は、その荷物はまだ混載待ちの状態で、言った時刻はまったくのフィクションだった。荷主はその時間帯に合わせて受入ドックに人を配置し、貨物は来なかった。怒りの電話の後、人間が謝罪し、緊急輸送を手配して貨物をなんとか間に合わせた。でもその荷主は二度と注文しなかった。ひとつ教えてあげよう。AIが答えを間違えると、失うのはその貨物じゃない。失うのは信頼だ。人間が間違えても「すみません、確認し直します」で済む。機械が間違えると、荷主が覚えるのは「あそこのシステムはゴミだ」ということだけだ。

倉庫におけるAI支援のアフターサービス対応

じゃあ、数字の話をしよう。倉庫に1日100件の問い合わせが来て、そのうち70件が繰り返し質問だとする。CSRが1日にきちんと対応できる電話は数十件程度で、残りは「明日折り返します」になる。AIがその70件の繰り返しを片づければ、4人のCSRが残りの30件の複雑な案件を余裕を持って対応できる。コストについては、業界の話で聞いた限りでは、AIカスタマーサービスの1か月分はCSR半人分くらいだ。正確な数字はベンダーによって違うから、最新の価格は自分で確認してほしい。数字の上ではどちらにしても収支は合う。ただし、AIを正しい席に座らせた場合に限る。

AIが扱うべきもの、人間が残すべきもの。僕がみんなに渡している振り分け表がこれだ。この通りにすれば火傷はしない。

問い合わせの種類 担当 理由
私の貨物はどこ、予約・荷下ろし時間 AI データはすでにシステムにある。速くて正確
ゲート営業時間、住所、料金表の質問 AI 料金表をそのまま読むだけ。間違えようがない
POD、受領書、到着通知の送信 AI 単純作業の典型。機械が一番得意
破損、不足、クレーム 常に人間 お金がかかっている。機械に責任は取れない
価格交渉、緊急手数料 常に人間 関係性と物量次第。機械はどちらも知らない
仕分け間違い・誤出荷のカートン 常に人間 今すぐ追跡と修正が必要。1分ごとに金が飛ぶ
通関・検査の問題 常に人間 ルールが常に変わる。機械は追いつけない
苦情、エスカレーション、「調べてほしい」 常に人間 感情には向こう側に人間が必要

そして、みんなが間違える逆説的な見方をひとつ。AIカスタマーサービスの価値は速いからじゃない。午前2時に誰か、何かが答えてくれるからだ。荷主が午前1時に貨物はどこかとメッセージを送ると、AIが3秒で返す。「午前11時時点で、あなたの貨物はロサンゼルスにあります。荷下ろし予約は明日の午前8時です。」彼はその夜ぐっすり眠れる。翌朝のどんな熱意も、これにはかなわない。

もうひとつ、これはみんなが驚く。電話が鳴り止まないのは商売が好調ということだ。でも、顧客を維持できない倉庫は、たいてい電話が鳴り止まない倉庫でもある。顧客はあなたの忙しいCSRに同情なんかしない。静かに倉庫を変えるだけだ。僕の見方では、AIカスタマーサービスはコスト削減ツールじゃない。顧客維持ツールだ。

倉庫へのアドバイスをひとつ、荷主へのアドバイスをひとつ。倉庫:最初は一番安全な2カテゴリ、ステータス確認と予約から始めよう。初日に全部渡すな。AIには出典と時刻を引用させよう、「午前7時時点のシステム情報によると」のように。AIの返答には必ず「人と話す」選択肢を残すこと。そしてAIが間違えたら検証をやること。同じ穴に二度は落ちるな。荷主:倉庫を選ぶとき、ちょっとしたテストをやってみよう。真夜中に「私の貨物はどこ?」とメッセージを送って、誰か答えるか見てみる。これが毎回効く。料金表よりよっぽど多くを教えてくれる。

うちの故郷に古いことわざがある。礼儀が金を生む。AIは時間を節約してくれるが、金を生む「礼儀」はやっぱり人から来る。「見守りますからね」と言う人からだ。路上での長い年月、こんな4つの言葉で死んでいく倉庫をあまりにも多く見てきた。「誰も答えてくれなかった」。あなたの倉庫が次にならないように。

Shifu Zhao(トラック運転歴15年のベテラン)著

英語版からの翻訳。内容に相違がある場合は英語版を優先します。