2023 年に、カリフォルニア州オンタリオの 3PL 事業者から電話がかかってきた。ベンダーの見積書を手に、「ピーク時のお客様にはちょうど 12 台」と勧められたパレット搬送用 AMR を、何台買うべきかと聞かれたのだ。私は、発注は待て、まず計算をしろと言った。
彼の倉庫はロサンゼルスの東に広がる倉庫地帯、インランド・エンパイアにある。200,000平方フィートを少し超える広さで、Eコマースのフルフィルメントをやっている。このビジネスには二つの顔がある。通常日は受入からステージングへのパレット移動が 400 から 500 件。ピーク週にはその倍以上になる。12 という数字は彼にとって縁起が悪く聞こえたので、14 に切り上げた。
1 年も経たないうちに、彼は再び電話をかけてきた。複雑な声だった。閑散期には、艦隊の半分が充電ステーションの脇で一日中昼寝している。繁忙期になっても、受入ドックは相変わらず詰まった。ロボットが足りなかったわけではない。事後分析では、ロボットが通路の交差点や充電器の前で互いに列を作っていたことが分かった。間違った理由で間違った台数を買っていたのだ。これがこの業界で最も多いパターンである。勘で艦隊規模を決め、請求書を払った後で問題に気づく。
方向が逆だ。ロボットの台数から始めて足りるか確かめるのではない。まずタスク量を分解し、そこから逆算して本当に必要な台数を導き出す。
1 台のロボットが 1 日に実際にこなす仕事量
1 台の AMR を顕微鏡の下に置いてみよう。1 日は 24 時間の搬送ではない。時間を食うのは三つだ。走行、積み卸し時の待ち、そして充電である。
すべての計算の出発点は、1 往復のサイクルタイムだ。ピックアップからドロップオフまでの距離、空車での帰路、フォークリフトが積み込みに待機しているか、狭い通路で譲る必要があるか、WMS が次のタスクを割り当てるのにどれくらいかかるか。これらを全部足すと、1 回の移動の真のコストが出る。ベンダーの実験室の数値は使うな。あれは交通のない空のテスト場と満充電のバッテリーから生まれた数字だ。自前のフロアをストップウォッチを持って歩き、正直な平均を取れ。
能力の計算は一文で済む。1 日 1 台あたりのタスク数 = 1 日の生産時間(分)÷ 1 タスクあたりの時間(分)。
ざっくりした数字で追うと腑に落ちる。1 回の移動(往復+両端での待ち)は、およそ 10 分超がざらにある。充電と配車のオーバーヘッドを引くと、1 台が確保できるのは 1 日あたり 10 数時間の生産時間だ。つまり 1 台の 1 日の生産量は数十件のタスクになる。たいていの人は、それを聞いて「思ったより少ない」と言う。驚くのは正しい。AMR は疲れないが、速くもない。荷を積むと歩く人が早足で歩くくらいの速さしか出ず、残りは待ちと譲り合いに食われる。
充電は買い手が火傷するポイントだ。誰もが公称のバッテリー寿命で計画する。だが実際の現場では、誰もバッテリーを空にしてから充電したりしない。ロボットはタスクの合間に継ぎ足し充電し、機会充電のうまさが艦隊ソフトウェアで決まり、そのオーバーヘッドがどれだけ能力を食うかが決まる。同じロボットでも、配車が下手か上手いかで、1 日の生産量にははっきり差が出る。配車担当を評価せずにロボットだけ評価するのは、機械の半分だけ買うようなものだ。
もう一つ、計算を変える判断がある。自由走行型の AMR は能力を動的に融通し合えるので、同じタスク量でも、固定ルートをループする AGV より台数が少なくて済むことが多い。だが台数を増やすと経路の衝突は線形より速く増える。そのことを、オンタリオのあの倉庫は高い授業料で学んだのだ。

買い過ぎと買い不足は、違う痛みを残す
まず買い過ぎ。パレット用 AMR は、ロボット本体+導入で 1 台あたり数十万ドルはする。2 台の余計な遊休機は、何もせずにフロアに座っている真剣な金額だ。もっと陰険なコストもある。ロボットが増えると、交差点も充電器も積載ステーションも、すべて行列になる。ロボット同士が待ち合い、艦隊が大きくなるほどシステム全体のスループットが逆に落ちることもある。ロボットを増やしたせいで倉庫が遅くなった現場を見たことがある。配車があれだけの経路衝突を捌けず、艦隊を絞らざるを得なくなり、高額を払って遅いシステムを買ったことになった。
買い不足は別の痛みだ。普段は静かなのに、ピークが来るとラインが詰まる。3PL における詰まりのコストは顧客で測られる。SLA は SLA だ。未達はペナルティを意味し、ひどい未達はアカウントの喪失を意味する。オンタリオのあの倉庫がピーク時に受入ドックを詰まらせたとき、十数人の臨時工とハンドパレットトラックを投入した。労務費と遅延ペナルティの合計は、ロボットを 2 台余計に買うより高くついた。オーナーは後に、12 が縁起の良い数字かどうかにもっと悩まずに済めばよかったと言った。
つまり冗長性は「安心のために 2 台余計に買う」ものではない。それには理屈がある。冗長性がカバーするのは二つ、故障とメンテナンスの窓だ。サービス対応が時間単位で測られるのか日単位で測られるのかで、持ち込む量が決まる。季節性のあるビジネスでは、ベースの艦隊は通常ピークに合わせろ。年に最もよく見る繁忙に合わせるのであって、最も狂った 2 週間には合わせない。極端なピークは臨時労働と残業でカバーしろ。2 週間の混乱のために 1 年分のロボットを買うな。この記事の中で金になる一文があるとすれば、それがそれだ。
計算はこの順序でやれ
12 か月分のタスクデータを取り出し、1 日のパレット移動件数をプロットしろ。二つの数字を見つける。通常ピーク(よく到達する繁忙レベル)と、極端ピーク(意識しておけばいいもの)だ。ベースの艦隊は通常ピークに合わせる。
次に、自前の建物で 1 台のサイクルタイムと 1 日の生産量を測る。自前の距離、自前の待ち、自前のストップウォッチで、パンフレットではない。ベース艦隊 = 通常ピークの 1 日タスク数 ÷ 1 台 1 日の生産量。日ごとの変動が激しいなら、その上にクッションを載せる。20 から 30 パーセント程度だ。
冗長性は別に足す。実際の設備稼働率と、実際のサービス対応時間から出発する。N+1 が下限で、メンテナンスの窓が長ければ上乗せする。
最後のステップが最も大事だ。艦隊を一括で買うな。計算で出た台数で第 1 陣を導入し、1~2 か月回して実データを見る。タスク完了率、積載ステーションでの平均待ち、充電器の前でロボットが列を作る頻度だ。それから増やすかどうかを決める。オンタリオのあの事業者が、8 台で 1 四半期回し、データを見てから 2 台足していたら、支出はほぼ半分近くで済み、しかももっとよく回る倉庫になっていた。このビジネスに「たられば」はない。あるのは請求書だけだ。
公式は一行でこうだ。
艦隊規模 =(通常ピークの 1 日タスク数 × 変動係数)÷ 1 台 1 日のタスク数 + 冗長台数
最後に一つアドバイスを。実測した自前の数字を入れろ。平均量を理想速度で割るな。公式は嘘をつかない。勘の数字はいつも嘘をつく。
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