AMR を買う前に誰も教えてくれないことがある。発注書にサインした日は、全行程の中で最も安い日だ。本当の請求書は、初めて電源を入れた瞬間から届き始める。

昨秋、約 3,000 平方メートルの私と同じくらいの規模の 3PL 倉庫を経営する友人が、構内搬送用に AMR 4 台をリースした。営業マンのスプレッドシートは芸術品だった。単価、削減できる人件費、回収までの月数。半年後、友人から電話が来た。「おい、やっと分かったよ。これはロボットを買うことじゃない。電池を買うことで、ロボットがおまけで付いてきただけだ。」

バッテリーの劣化は、カタログの謳い文句よりずっと早かった。暑い作業場、一日二交代制、稼働時間は縮まる一方。営業トークの「バッテリー寿命5〜6年」は、現実の環境ではあっという間に消えた。それから交換用バッテリーパックの見積りを取って、彼は黙り込んだ。小さなフリート全台のバッテリーを一巡交換する費用は、あと数台ロボットをリースできるくらいの金額だった。その話を聞いて私は思った。ハンコを押さなくて良かった。この充電の損益計算は、買った後じゃなく買う前に済ませなきゃいけない。

ロボットは安い。食わせるのは安くない。

後日、インテグレーターの友人と一杯やりながら、話を根掘り葉掘り聞き出した。彼は忘れられない一言をくれた。「この業界では、AMR はスマホで、バッテリーはスマホの請求書だ。スマホは一度だけ買う。請求書は毎月来る。」

乱暴だけど正確だ。私たちの規模の倉庫向けに数字を計算し直すと、営業マンが決して言わない真実はこうだ。AMR の全寿命を通じて、購入価格は総コストの半分強にすぎないかもしれない。残りは電気代、バッテリー交換、そして充電にまつわるあらゆる手間だ。 金のある大企業は新しいバッテリーにポンと交換して先に進む。私たちのような小規模倉庫は、そんな金の燃やし方はできない。私たちにとって、充電戦略は技術的な判断じゃない。生き残りの判断だ。

だから直感に反する結論を先に言う。AMR の一番高い部分はロボットじゃない。これから何年も続く電気代とバッテリー代だ。 充電戦略を選ぶとき、あなたが選んでいるのは「どう充電するか」じゃない。これから何を払い続けるかを選んでいるのだ。人件費か、バッテリー寿命か、安心か。道は3つ、完璧な答えはない。小規模倉庫に合う答えがあるだけだ。

3つの充電方式、小規模倉庫の損益計算

主流のアプローチは3つある。手動のバッテリースワップ、急速(機会)充電、ワイヤレス充電だ。小規模事業者の視点から比べるとこうなる。

手動スワップ 急速充電 ワイヤレス充電
初期費用 安い — 予備バッテリーを買うだけ 中くらい — 充電器+電気工事 高い — 床埋め込みモジュールが高い
バッテリー寿命 優しい — ゆっくり充電、バッテリーも休める 厳しい — 頻繁な急速充電で早く劣化 まずまず — 発熱の蓄積が気がかり
必要な人手 多い — 誰かが交換しなきゃいけない 少ない — ロボットが自律でドック入り 最小 — 上に駐めるだけ
小規模倉庫への適合 高い — 柔軟、設置の制約なし 中くらい — 充電ポイントの計画が必要 低い — 回収に時間がかかりすぎる

一つずつ見ていこう。手動のバッテリースワップは石器時代みたいに聞こえるが、小規模倉庫の本命だ。予備パックを数個用意し、ロボットの残量が少なくなったら新しいものに交換する。フリートはほとんど止まらない。デメリットも確かにある。交換する人が必要だし、安全な保管・充電スペースも要る。バッテリーを運び回ればぶつけたり落としたりのリスクもある。でもゆっくり充電はバッテリー寿命を最大化し、初期費用は3つの中で一番安い。友人の倉庫は最終的にここに落ち着いた。彼は計算した。スワップ担当のパートタイムの人を雇う月額は、時期尚早に死んだバッテリーパック1個より安い。比較にならないくらいだ。

急速充電は大手ベンダーが一番強く売り込んでくる方式だ。ロボットがタスクの合間にドックに戻り、15分や20分でちょい足し充電して、24時間(24/7)稼働できるという触れ込みだ。夢のような話だが、代償はバッテリー寿命で支払う。暑い環境での頻繁な急速充電は、リチウムパックを老化させる一番の近道だ。営業マンが「急速充電に対応」と言ったら、「バッテリーを頻繁に買うことになる」と翻訳すればいい。バッテリーを大量に安く仕入れる大規模フリートは気にしない。私たちは気にする。台数の少ないフリートでは、1回の早すぎるバッテリーの葬式が痛い。

ワイヤレス充電はSFの選択肢だ。床に送信機を埋め込み、ロボットがその上に駐める。ドッキングなし、人員なし。SFなのは値段も同じだ。モジュールは高く、施工は床を切る必要があり、建物の多くを借りている私たちにとって、「床を切ります」と言ったときの大家の顔がすべてを物語る。小規模倉庫は二度考えずにこれをスキップできる。

私たちの結論はシンプルだ。まずは手動スワップ、急速充電は補助、ワイヤレスは観戦スポーツ。 完全無人のフリートという大企業の夢は聞く分にはいい。それを真似したら破産する。

倉庫の通路を商品棚を載せて移動する複数の AMR

本当に効く小規模倉庫の裏ワザ

戦略は決まった。次は小規模倉庫の十八番だ。ケチな節約術のプレイブック。飲み屋で事業者同士が交換する裏ワザだ。持っていってくれ。タダだ。

第一に、夜間電力で充電しろ。電気はタダじゃない。 多くの地域では産業用電力は時間帯別料金で、夜間の単価は劇的に安くなる。24/7 で稼働する大企業と違って、私たちは充電の大半を夜に回せる。日中はバッテリーを交換し、夜にまとめてゆっくり充電する。年間で浮く金額は本物だ。目に見えるくらいだ。料金は電力会社ごとに違うから、スケジュールを組む前に地元の電力会社に電話しよう。

第二に、引退したバッテリーを捨てるな。転用しろ。 積載した AMR を引っ張るには力不足になったパックでも、LED 照明や非常灯、小型機器なら余裕で回せる。友人の倉庫は今、引退パックにつないだ非常灯で通路を照らしている。電気工事士が週末にさくっと仕上げた。何もハイテクじゃない。ただ電気工事は自分でやるな。免許持ちの電気工事士に頼み、バッテリー保管の地域の安全規則に従うこと。

第三に、充電器は電気室の隣に置け。 これは自分の評価のときに恥ずかしい思いをして学んだ。私は作業エリアのすぐ横に充電ゾーンを置いた。移動距離が最短、賢いでしょ。電気工事士は一目見て首を振った。分電盤から数十メートル、配管工事、ケーブルトレイ、容量アップ。配線の請求はロボット1台の半額に迫っていた。最終プラン。充電器は電気室の壁にぴったり。ロボットは少し余計に歩く。彼らは気にしない。覚えておけ。充電器は作業場じゃなく電源の近くに。 余計な一歩はタダだ。

最後に、小規模事業者の仲間へのメモ。何かにサインする前に、分電盤の容量を電気工事士に見てもらえ。ロボットが届いてから電力不足に気づくのは、特別な痛みだ。交渉のときは、ロボットの価格だけ見ないで、交換用バッテリーパックの価格とバッテリー劣化に関する保証の文言を書面でもらえ。台数が少なければ、完全自律を追いかけるな。手動スワップ+夜間のゆっくり充電が、私たちの規模では総コスト最小の運用だ。

大企業には大企業のプレイブックがある。小規模倉庫には私たちのが。充電を正しくやれば AMR は助っ人だ。間違えれば金の無底沼だ。

Xiao Ma(小型倉庫のオーナー)著

英語版からの翻訳。内容に相違がある場合は英語版を優先します。