長年トラック運転手をやってきて、ひとつ言わせてほしい。私が一番怖いのは、高速道路の渋滞でも、真夜中の駐車場探しでもない。トラックが本当に止まる前に、誰かが慌ててトレーラーの扉を開けようとする倉庫に乗り入れることだ。ドックは平らで無害に見える。だが、事故が起きるのはまさにそこだ。人が中にいて、フォークリフトがドックの端にいる状態でトレーラーが動けば、わずかなズレがあっという間に大きな事故になる。だから今日は、車輪止めとドックロック、そしてその背後にあるシンプルな計算について話したい。その計算が分かれば、その数分が一秒一秒価値があることが分かるはずだ。

車輪止めは飾りではない:トレーラーがひとりでに歩き出すのを見た

数年前の冬、オハイオ州コロンバス郊外の食品流通倉庫に配送に行った。雪が降ったばかりで、ドック前の地面は滑りやすかった。舗装面は平らに見えたので、運転手はパーキングブレーキをかけ、書類にサインするために降り、車輪の後ろに何も置かなかった。するとフォークリフトがトレーラーに入ってきた。トレーラーの車体が沈んだり浮いたりして、車両全体がゆっくりと後方へ転がり始めた。ドックとトレーラーの床の間に隙間ができた。幸いフォークリフトは半分しか入っておらず、オペレーターは間に合って後退した。けが人は出なかったが、冷凍食品のパレットがドックの端で倒れ、あちこちに溶け出し、片付けと手直しで一日の大半がつぶれた。

別のとき、カリフォルニア州インランド・エンパイアの一般貨物倉庫では、トラックに車輪止めはしてあったが、ドック側を誰も見ていなかった。フォークリフトが次々に出入りし、重みでトレーラーの床が上下に跳ね、トレーラーは少しずつ前に這うように動いた。このゆっくりした這い寄りが厄介なのだ。誰かが気づいたときには、トレーラーの床とドックは数インチずれていて、フォークリフトの車輪が隙間に引っかかった。もう少しで横転するところだった。それ以来、私にはひとつの習慣がある。どんなに急いでいても、降りたらまず車輪のところまで歩いて行き、車輪止めを見て、ひとつ蹴ってみる。びくともしなければ、問題なしだ。

ドック安全台帳:節約した 5 分の代償を払えるか

多くの人は、車輪を止めることやドックロックをかけることを時間の無駄だと思っている。停車ごとに数分節約し、1 日にもう 1 便走らせる、聞こえはいい。だが、計算はそうはならない。考えてみてほしい。車輪止めを 2 つ置くのにどれくらいかかるか。降りて、かがんで、しっかりと差し込み、蹴って確認する。1 分もかからない。ドックロックをかけるのはどうか。トレーラーの後部まで歩き、引っ掛けて、ランプを確認する。数歩余分に歩くだけだ。合わせてもせいぜい 2 分か 3 分だ。

では、その 2 分か 3 分を省いて何か起きたらどうなるか。弁償しなければならない破損貨物。修理が必要なトラック。そして誰かがけがをすれば、それはお金の問題を超える。倉庫は作業を止め、保険会社とのやり取りは長引き、運転手は仕事ができなくなり、そのコストはどれも分単位ではなく日単位で数えられる。知り合いの運送会社経営者はかつて、ドックでの事故 1 件で、保有車両全体の 10 年分の車輪止めが買えただろうと言った。厳しい言葉だが、理屈は通っている。安全は平常日にはコストに見える。何か起きた日に、それが自分を守るお金だったと気づくのだ。

ほとんどの人を驚かせる判断がある。最も危険なドックは急なドックではない。完璧に平らに見えるドックだ。坂では誰もが注意するので、事故は少ない。平地では、トラックが動くはずがないと思い込み、気が緩み、フォークリフトがトレーラーに荷重をかけ、地面が少し滑りやすく、トレーラーが静かにずれる。私の知るベテラン運転手は、すべてが安全に見える場所でこそ最も注意深い。

ドックロックと車輪止めの連携:私が毎回行う点検

車輪止め、ドックロック、車輪止めと拘束具の組み合わせは、それぞれ別の役割を果たし、ひとつが他を代替することはできない。私なりのシンプルな考え方はこうだ。

| 道具 | 防ぐもの | 弱点 | 最適な場面 | | 車輪止め | 車輪の転動、トレーラーの前後へのずれ | 車輪だけを固定し、トレーラー車体の上下動は抑えられない | 毎回の停車、例外なし | | ドックロック | トレーラーとドックの分離、床の段差 | 倉庫側の対応設備が必要で、古いドックにはない場合がある | ロックがあるドックでは、毎回の荷下ろしで | | 車輪止めと拘束具の組み合わせ | 車輪と車体を一緒に固定 | 設置に数分余計にかかる | 重い荷物と長時間の荷下ろし |

私自身のチェックリストは短く、荷下ろしの前と出発前にもう一度通す。車輪の後ろに車輪止めがしっかり差し込まれていること。ドックロックがかかり、表示灯が緑であること。フォークリフトが出入りする間、トレーラーとドックの隙間を誰かが見ていること。そして出発前に車輪止めを回収し、次のトラックのつまずきの元になるようドックに置き去りにしないこと。このリストはサンバイザーの裏に貼ってある。何年も私をトラブルから守ってくれている。

もうひとつ、はっきり言っておきたいことがある。ロックされたドックは保証ではない。ロックはハードウェアにすぎず、人はそれでも注意を払わなければならない。荷下ろしの間、トレーラーの車体は上下に動き続けるので、運転手と倉庫の作業員は互いに声を掛け合う必要がある。トレーラーがずれたら、まず止めて、対処してから、作業を続けること。設備はあなたをリラックスさせてくれる。責任まで引き受けてはくれない。

荷主と倉庫への 3 つの実践的な提案

荷主の方には、ひと言だけ言いたい。運転手を急がせないでほしい。運転手に速く荷下ろしするよう圧力をかけることは、安全点検を省くよう圧力をかけることと同じだ。節約する数分は、1 車分の貨物の価値もないし、人ひとりの価値はなおさらない。信頼できる運送会社とは、ドック点検を日常業務に組み込んでいる会社だ。2 分遅くても、貨物は無傷で、みんな無事に家に帰れる。それこそが得な取引だ。

倉庫の方には、3 つの提案がある。第一に、車輪止めを十分な数、ドックのすぐそばに置いてほしい。運転手がヤード中を探し回らなくても手に取れるように。手の届くところにある道具は、使われる道具だ。第二に、できれば信号灯付きのドックロックを設置してほしい。赤や緑のランプは、運転手もフォークリフトのオペレーターも一目で分かり、叫ぶ必要がない。第三に、文書化された規則にすること。車輪止めとドックロックの確認が済むまで、フォークリフトはトレーラーに入らない。その規則を引き継ぎ書に載せること。壁のポスター 10 枚より、文書化された規則ひとつの方が強い。

具体的な OSHA の要件については、私の助言はひとつの原則に集約される。トラックを止め、固定し、確認してから荷下ろしをし、自分の業務に当てはまる詳細については最新の公式ガイダンスを確認すること。紙の上の規則は固定されているが、ドックはひとつひとつ少しずつ違い、現場の人々が規則を現実のものにしなければならない。

長年トラック運転手をやってきて、私はひとつの言葉を信じている。トラックが本当に止まれば、心は落ち着く。心が落ち着けば、貨物は無傷で目的地に届く。 Shifu Zhao(トラック運転手ベテラン(15年))著 英語版からの翻訳。内容に相違がある場合は英語版を優先します。