ピッカーは1日に何回腰をかがめるでしょうか。3つの倉庫で実測したことがあります。小物ピッキングの作業では、平均して1人1日あたり400回以上の屈伸・スクワットが発生します。300稼働日で計算すると120,000回。まず腰が壊れ、次に生産性が落ち、労災報告が山積みになります。解決策は驚くほど安いものです。動きの速いSKUを腰の高さに移すだけです。これが「ゴールデンゾーン」であり、今日はその経済性を示します。

ゾーンの位置:膝より上、肩より下

人間工学の結論は明確です。人の手が最も効率的に動くのは腰の高さ、つまり床からおよそ65〜130センチメートルのあたりです。膝より下は屈むことになり、肩より上はつま先立ちで手を伸ばすことになります。どちらも遅く、どちらも人を傷めます。

つまり棚の各段は自然に3つのゾーンに分かれます。65〜130 cmがゴールデンゾーン、130 cmより上がリーチゾーン、65 cmより下が屈伸ゾーンです。たいていの倉庫に入ると、この論理が逆転していることに気づきます。下に重い商品(下の物を潰さないため)、上に軽い商品(取りやすい)、動きの速い商品はバラバラに散らばっている。その結果、ピッカーの1日400回の屈伸のほとんどは、最初からゴールデンゾーンに置けたはずのSKUのために費やされています。

解決の第一歩は、嬉しいほどローテクです。メジャーを手に取り、ピックフェースの支柱1本1本に65〜130 cmの帯をテープで印付けします。印を付けると、ゴールデンゾーンが全ピックロケーションの約3分の1しかないことに気づくでしょう。良い位置は常に希少です。だからこそ、意図的な割り当てが必要なのです。

動きの速い商品に快適な場所を

ABC分析は誰もが聞いたことがありますが、多くの倉庫は売上金額で分類しています。これはピックフェースには間違いです。ピックフェースのABCはピッキング頻度で順位付けしなければなりません。A品は毎日ピックされ、B品は週に数回、C品はたまにです。

ルールは1行です。A品はゴールデンゾーンへ、B品はリーチゾーンへ、C品は屈伸ゾーンへ、D品(ほとんど動かない)はピックフェースを完全に離れてバルク保管へ。A品は通常、SKUの15〜20%を占めながらピック数の70〜80%を担います。80/20の法則は業界を問わず成り立ちますが、自分のデータで検証すべきです。その15%をゴールデンゾーンに移せば、1日の屈伸回数は激減します。

腰の高さの棚で作業する倉庫ピッカー

率直に言っておくべきトレードオフがあります。ゴールデンゾーンにA品を置くということは、ゴールデンゾーンへの補充頻度が上がるということです。補充作業者が追加の往復をします。しかし補充はフルケースやパレットを動かし(効率的)、ピッキングは単品を動かします(高コスト)。「補充の追加往復2回」と「数百回の屈伸減」を交換するなら、毎回その取引を取ります。ただし補充の動線は別途計画してください。パレットがピック通路を塞がないようにしなければ、節約した秒数は渋滞に寄付することになります。

そしてABCは静的ではありません。夏は飲料がA品になり、冬は格下げされます。祝日前のヒーローSKUは年の大半はC品です。ピッキング頻度レポートを四半期ごとに回し、再分類して、ロケーションをそれに応じて移します。3年前に1回分類したきりという倉庫は山ほどあります。今となってはその分類はフィクションであり、何もないのと同じです。

ここで古典的な論争が浮上します。重い商品はどこに行くのか。「重い物は下に、安全だから」は半分正しい。1個あたり20キロを超えるなら、その通りです。下段に置き、人の腰ではなく動力機器で動かします。しかし5〜15キロの中量級こそ、まさにゴールデンゾーンに属します。1日中10キロのケースのために屈み続けると、腰が最も早く壊れます。バランス点はこうです。20キロ超は機械ハンドリングのために下へ、20キロ未満は速度順でゴールデンゾーンへ。「重い物は一律下に」というルールは、中量級の高速SKUを屈伸ゾーン行きに宣告してしまいます。

ゴールデンゾーンを渋滞に変えない

直感に反する罠が1つあります。A品をすべてゴールデンゾーンに詰め込むと、全ピッカーが同じ通路に殺到します。通路の渋滞は、屈伸削減で節約した秒数をすべて食いつぶします。ゴールデンゾーンのプロジェクトには通路計画が必須です。主要通路を十分に広く保ち、A品をピック動線に沿って分散させます。最もホットな10SKUを1つのベイに積み上げるのではありません。

スロットの奥行きも重要です。動きの速い商品は、複数のフェーシングを持つ浅いスロットが向きます。1SKUあたり2〜3フェースあれば、1回の補充で半シフト持ち、ピッキングが補充待ちになることはありません。フェーシングは常に希少なので、A品もどきのB品を追い出して、真のA品の場所を確保します。希少性とトリアージは、スロットティングの日常の現実です。

計算:1動作2秒が1人分の人件費を買う

保守的な数字だけを使います。A品をゴールデンゾーンに移すことで、1ピック動作あたり2秒節約できるとしましょう(屈伸が1回減るのはだいたいそれくらいです)。1日800ピックするピッカーは1,600秒、つまり約27分を節約します。300日で計算すると、1人あたり年間135時間です。

20人のピックチームなら年間2,700時間を節約。これは1.3人分の無償人件費に相当します。米国の倉庫ピッカー人件費で換算すれば、全スロットの入れ替えを2回実施できるほどの金額です。プロジェクトのコストは?メジャー1つ、床用テープ、そして移転作業2日分。ほぼゼロです。これほど投資対効果の高い倉庫改善を、私は他に思いつきません。

労災の計算はさらに極端です。腰部の肉離れ・捻挫は最も多い倉庫労災の1つであり、1件の請求は、医療費+休業損失+保険料上昇を合わせれば、ドル建てで容易に5桁に達します。OSHAは反復動作による障害リスクを年々厳しく監視しており、人間工学ハザードの引用はそれ自体が1つの項目です。ゴールデンゾーンは、お金を節約しながらコンプライアンスも保てる、稀有な一手です。

明日からできる3つのこと

第一に、測ります。主要ピックゾーンに65〜130 cmの帯を印付けし、今日ゴールデンスロットに何が置かれているか、そして屈伸ゾーンにまだ何品の高速SKUが住んでいるかを見ます。第二に、90日間のピッキング頻度レポートを回し、売上ではなく頻度でABCを再分類します。第三に、1つのピックゾーンでパイロットを行います。A品をゴールデンゾーンに移し、2週間走らせ、労働時間あたりの出荷単位数と現場の声を比較します。データに語らせましょう。

買うべき設備なし、導入すべきシステムなし。メジャー1つとレポート1つで始められます。倉庫の最適化において、コストゼロ・高リターンの機会は稀です。この機会を掴みましょう。

英語版からの翻訳。内容に相違がある場合は英語版を優先します。