泣く子も黙るような積荷の話をさせてくれ。去年の7月のことだ。まだ思い出すと荷主が気の毒で顔をしかめる。
ロメインレタス22パレット、サリナスからダラスへ、3PLの冷蔵倉庫行き。カリフォルニア州サリナスといえば「サラダボウル」、アメリカのレタスの大半はここで採れる。最盛期で、積み込みの日の外気温は95度。私は2時間前に冷凍機を回し始めていた。庫内は34°F、がっちり安定。
1,400マイル、2日間の旅、ダラスに到着。受け入れ担当が扉を開け、温度ガンを向ける:37°F。問題なし、温度逸脱なし。サインをもらって荷下ろし。きれいな仕事だったと思った。
2週間後、荷主から電話が来た。その口調ですべてがわかった。「師傅、あの積荷なんだけどさ——道中の温度は本当に大丈夫だったのか?」おいおい、ロガーのデータはまだ手元にあるぜ。道中ずっと34から36、逸脱は一度もない。そして肝心なのは——温度は完璧だったってことだ。問題は賞味期限だった。
実は私の22パレットは、その2日前に届いたバッチより収穫が遅かった。つまり私のほうが先に期限を迎える。倉庫は厳格な先入れ先出し(FIFO)を回していた。賞味期限の長い先着バッチが先に出て、期限の短い私のパレットは後ろに取り残された。私のパレットに番が回ってきたときには、スーパーマーケットチェーン向けの残り日数が足りなかった。ドックで拒否。半トラック分がパーだ。
あの積荷が教えてくれたのはこれだ。生鮮食品の倉庫では、「先に入った」と「先に期限が来る」はまったく別の話だってことだ。
先入れは先期限切れを意味しない
冷凍トラック15年の俺が言うんだから間違いない。生鮮では、収穫日と入荷日が逆転することが多い。
4、5日かけて運ばれてきた貨物は、入荷した瞬間に賞味期限が短い。昨日収穫された20マイル先の品は、今日届いてもまだ日数に余裕がある。入荷順——先入れ先出しで出していたら、期限の短いパレットは長いものの後ろに埋もれる。番が来る頃には、時計はもうゼロだ。
さらに厄介なのは、スーパーのチェーン店の多くが入荷時に残りの賞味期限をチェックすることだ。残りが少なすぎれば積荷は拒否——チェーンごとに受け入れルールは違うから、相手のをちゃんと確認しろ。倉庫では完璧な状態で保管されていた。温度逸脱は一度もない。それなのに出庫した瞬間に廃棄宣告だ。こりゃ残酷だろ?
だから生鮮ではFIFOだけでは足りない。その厳しいいとこ、FEFO(First Expired, First Out:期限切れ順出庫)が必要だ。4文字。生鮮を扱うなら、この4文字を脳に彫り込め。
温度が良くても死にかけの期限は救えない
冷蔵物流イコール温度管理、と思っている人が多い。温度が範囲内なら問題なし。違う、そうじゃないって言ってるんだ。
温度が決めるのは「劣化の速さ」。賞味期限が決めるのは「カレンダー」。冷凍機を完璧に回したって、期限は好き嫌い関係なく1日ずつ進んでいく。37°Fで2週間置いたレタスと34°Fで2週間置いたレタス——品質の差はあるかもしれない。でも期限が切れたら、買い手はどっちも見向きしない。
2024年後半、フレズノのベリー荷主の専用便を走っていた。ブルーベリー、イチゴ、ユマからLAの冷蔵倉庫へ。ある日、倉庫のマネージャーが不満をぶつけてきた。廃棄率(シュリンク)が8%で、ゴミ捨て場に行くたびに夜も眠れないって言うんだ。
現場を歩いてみたら、問題は10分でわかった。彼らのシステムには賞味期限の入力欄がなかったんだ。受け入れでは数量とロット番号だけ記録して、ピッカーは手近なパレットをつかむ。今日はこっち、明日はあっち、完全な勘。期限の短いベリーは山の奥に埋もれたまま——誰かが気づいた頃には、ブルーベリーにカビが生えていた。
8%って何だ?ざっと計算してみよう——ベリーの1台分は季節にもよるけどだいたい$40,000(価格は激しく変動する、これは規模感をつかむための話だ)。8%は$3,200、1台あたりゴミ箱行きだ。彼らは月に20台以上回していた。つまり月に$60,000以上が廃棄。1年でフレズノの小さな倉庫の頭金だ。
どうやって直したか?3つ——詳細は後で。6か月後、廃棄率は3%あたりをうろうろするようになった。同じざっくり計算でいこう。1台あたり$2,000の節約、月に$40,000、年間で$500,000近い。これだけあれば冷凍機が何台も買える。

賞味期限を飼い慣らす3つのこと
先に言っておくが、俺はドライバーであってシステム屋じゃない。ソフトのボタンの名前は教えられない。でも冷蔵倉庫に15年出入りしてきて、賞味期限が管理できている倉庫とぐちゃぐちゃの倉庫は、1回歩いただけで見分けられる。できる倉庫はみんな同じ3つのことをやっている。
1つ目、受け入れ時に賞味期限を取る。例外なし。
「今日は何パレット入りました」だけじゃダメだ。各パレットがいつ作られて、いつ期限を迎えるかを記録する。1パレット、1つの日付。混載パレットはばらして個別に記録する。受け入れを5分で終わらせて期限欄を空欄にする倉庫は多い——そんなんじゃFEFOの話は絵に描いた餅だ。土台がなきゃ家は建たない。
それから受け入れは日付だけじゃない。温度もチェックしろ——トレーラーの庫内気温と商品の中心温度、両方だ。ロガーのデータは保管しておく。FDA(米国食品医薬品局)の食品トレーサビリティ規則は年々厳しくなっているし、データがあればみんなを守れる。温まったまま届いた商品はその場で保留、情けは無用——今日情けで受け入れた積荷は、明日の廃棄代になる。
2つ目、取り出しやすさではなく期限順にピックする。
日付がシステムに入ったら、出庫ピックは期限の近い順。ピッカーはリスト通りに動く——近いパレットをつかむのはなし。期限の短い商品はピックフェースの一番手前に。期限の長いのは奥に。これはスーパーのヨーグルト売り場と同じ理屈だ。期限の近いものはいつも一番前にある。
短期期限アラートをいくつかのトリガーで設定する。この業界の経験則はこうだ。残り14日以下なら5日前にフラグ。15日から45日なら10日前にフラグ。それより長いなら、残り寿命の3分の1の時点でフラグ。フラグの立った商品はさっさと動かす——値引き、セカンダリー卸、税金対策の寄付。ゴミ箱行きよりはなんでもマシだ。
3つ目、受け渡し時に温度と日付を再確認する。
これは荷主にも倉庫にも言いたい——ドライバーが言うとちょっと自分勝手に聞こえるが。受け付けの列で4時間待つトラックは、箱の中で4時間分の賞味期限を燃やしている。予約システム、迅速な荷下ろし——これはドライバーを楽にするだけじゃない。賞味期限を買っているんだ。それから積み込み前にトレーラーを予冷しろ。貨物を積んでから機械がうなりを上げて温度を下げるんじゃない。最初の数時間、商品はサウナの中に座らされているんだ。
FEFOをサボっていいとき
フェアにいこう——FEFOは魔法じゃない。これは正直に言っておく。
FEFOにはコストがかかる。ピッカーは期限の短いパレットを先に出すために遠くまで歩いて、もっと掘り出す。だから人件費と時間が上がる。小規模で、SKUが少なくて、回転が速い?やらなくていい。経験則を1つ教えよう。在庫はどれくらい速く回るか?全部が3日で出ていって、賞味期限の大部分が残っているなら、FIFOで十分だ。FEFOを足すのは仕事を増やすだけだ。
でもSKUが多くて、ロットが混ざっていて、何週間も居座るパレットがあるなら——考えるまでもない。FEFOは必須だ。フレズノのベリー倉庫が証明だ。FEFOをサボれば、毎年倉庫の頭金がゴミ箱に消える。
コールドチェーンでは、温度は顔、賞味期限は胃だ。顔は完璧に見えても、胃が腐っていれば、それでも金は消える。故郷の古いことわざがある。病は口から入る——生鮮食品では、損失は賞味期限から入る。期限の計算ができなきゃ、青果には手を出すな。
Shifu Zhao(15年の経験を持つトラックドライバーのベテラン)著
英語版からの翻訳。内容に相違がある場合は英語版を優先します。






