大企業は「動的スロッティング」「リアルタイムのアルゴリズム最適化」なんて言う。素晴らしい響きだ。私の小さな倉庫にはそんなお金はない。

うちは3,000平方メートル、SKUは2,000弱、スタッフは私を含めて6人だ。ABC分類は3年前の開業時に決めたきりで、この3年間で販売構成はすっかり入れ替わったのに、棚割りは時間が止まったままだった。昨年、気まぐれで出荷データをエクスポートしてみて愕然とした。売れ筋商品は一番奥の通路の奥に埋もれてつぐないをさせられ、3年前に賦けに失敗したスロームーバーが腰の高さのゴールデンゾーンに居座り続けていた。ピッカーのXiao Liがぼやいた。「店長、この棚割り、年功序列で決まってるんですか?」私は何も言い返せなかった。

棚割りを見直すべき3つの警告サイン

再スロッティングで一番難しいのは作業そのものではなく、やるのを忘れないことだ。うちの倉庫の3つの警告ベルを紹介する。1つでも鳴ったら、やる時だ。

第一に、ピッカーが「売れ筋が取りにくくてたまらない」と文句を言い始めること。毎日商品に触れている人たちの勘は一番鋭い。「取りにくい」と言われたら、回転率と棚位置はほぼ間違いなくずれている。第二に、梱包台に待ち行列ができること。売れ筋SKUが梱包から遠すぎると、ピッカーは歩行に時間を溶かし、梱包担当は手持ち無沙汰になる。歩行時間がスループットを食い潰す。第三に、棚卸の差異率がじわじわ上がること。奥の通路を出入りする商品は置き違えられ、誤って棚割りされ、カウントで見落とされる。差異率が上がったら、まず怠けたピッカーを責めるな。棚割りが理にかなっているか確認しろ。

うちの倉庫は3つのベルが全部鳴ってから、ようやく動いた。半年早くやっていれば、Xiao Liの膝はもっと喜んでいただろう。

うちのローテク手法:スプレッドシートで四半期に1回

笑わないでくれ。ローテクだが効く。プロセス全部を公開する。真似してかまわない。

ステップ1:出荷データをエクスポートする。

WMSにレポート機能があれば最高だ。なくても慌てるな。一番原始的な方法で十分だ。過去3か月の出荷明細をWMSや在庫システムからエクスポートし、スプレッドシートに放り込んで、SKU別にピボットして出荷数量と出荷金額を合計する。Excelでソートとピボットができるだろう?それがうちの「データ基盤」のすべてだ。

ステップ2:とことん単純なルールでABCをやり直す。

出荷金額(または出荷数量。うちの倉庫で「忙しさ」をよりよく表す方)で降順にソートする。累積構成比の上位80%がAクラス、次の15%がBクラス、残りの5%がCクラスだ。

クラス 累積出荷構成比 棚割り
A 上位80% 腰の高さのゴールデンゾーン、梱包に最も近い位置
B 80% - 95% 中段ラック、通常扱い
C 下位5% 上段と奥の通路。シベリア送り

ステップ3:現在の棚配置図を印刷して赤で書き込む。

腰の高さのゴールデンピッキングゾーンのクローズアップ。商品に手を伸ばすピッカー

棚配置図をA3用紙に印刷する。ゴールデンゾーンにないAクラスSKUを全部赤丸で囲む。前回やった時は40個以上囲んだ。その紙を見て血圧が上がった。これは棚配置図じゃない、ピッカー苦しみマップだ。

ステップ4:閑散期を選んで2回の午後で全部動かす。

倉庫全体を一気に動かそうとするな。それは夢物語だ。私のやり方はこうだ。閑散期の午後を2回選び、印刷した配置図を持って現場を歩き、まず出荷上位20のAクラスSKUをゴールデンゾーンに移す。追い出されたCクラスは上段ラックと奥の通路に流刑だ。2人組で、1人が配置図を読み上げ、1人が商品を動かせば、1回の午後で数百SKUはいける。動かしたらその場でWMSの棚割りも更新する。後回しにするな。さもないと大混乱だ。

ステップ5:「棚割り番付表」を壁に貼る。

移動が終わったら、上位20のAクラスSKUと棚位置を1枚の大きな紙に印刷して、ピッキングエリアの入り口に貼る。赤のリストは「こいつらはここにいる。目をつぶって取れ」。黒のリストは「このCクラスどもはゴールデンゾーンに置いちゃダメ」。新人教育が楽になるし、次の四半期の見直しにも記録が残る。ローテクだ。A3用紙1枚のコストだ。効く。

結果:数字が語る

2025年10月、私たちは第3四半期の出荷データを相手にこのプロセスを実行した。最悪の犯人:ティッシュのブランド、れっきとしたAクラスで1日200個以上出荷しているのに、通路12の一番奥に棚割りされていた。ピッカーたちは毎日何十回も余計な往復をしていた。ゴールデンゾーンに移してから1週間計測した。

指標 見直し前 見直し後
AクラスSKUの平均ピッキング歩行距離 約45メートル 約18メートル
1オーダーあたりの平均ピッキング時間 約48秒 約39秒
ピッカーの1日の歩数(スマホの歩数計) 約18,000 約15,000

Xiao Liは今や1日3,000歩少なく歩き、シフト後もバスケをする元気が残っている。今年、店長がやったことで一番人間的だったと言ってくれた。褒め言葉だったのか、まだ判断しかねている。

戒めの話:隣のLao Chenの倉庫

Lao Chenの倉庫はうちよりさらに小さい。SKUは800だ。昨年、業者の口車に乗せられて5桁の金額で動的スロッティングシステムを導入した。「AIリアルタイム最適化」をうたって。結果は?システムは毎日何十件もの移動提案を出してきた。今日はAをこっちに移せ、明日は戻せ。ピッカーたちはシフト中ずっと移動された商品を探し回って文句を言い続けた。3か月後、システムは停止され、お金は消えた。

この話が教えてくれた本当の教訓:小さな倉庫に足りないのはアルゴリズムではなく、定期的にやる習慣だ。 SKUが2,000弱なら、構成の入れ替わりがどんなに速くても、四半期ごとの手作業の見直しで十分に追いつく。システムの出す「最適」解と人間がスプレッドシートから読み取る答えは数ポイントしか違わない。でも導入コストは2桁違う。

うちのような倉庫への3つの提案

第一に、頻度だ。四半期に1回、言い訳なし。閑散期に固定する。休暇シーズンの後、夏の繁忙期の後。ついでに次の四半期の棚割りも決めてしまう。うちみたいに3年凍結はダメだ。それは安定じゃない、怠惚だ。

第二に、完璧を追うな。毎回動かすのは出荷上位20のAクラスSKUと、明らかに置き場を間違えたCクラスだけだ。 20%の労力で80%の効果。1回で100%を目指すと、疲れ果ててもう二度とやらなくなる。

第三に、見直しの後はピッカーにうまい飯をおごれ。変化を最初に感じるのは彼らだし、どの棚が取りにくいかを一番よく知っている。次の見直しの前に聞くんだ。「最近、一番取りにくかった商品はどれ?」と。彼らの勘はスプレッドシートより当たる。

大企業には大企業のやり方がある。小さな倉庫には小さな倉庫のやり方がある。金をかけず、やり切って、定期的にやる。それで倉庫はちゃんと回る。

Xiao Ma(小規模倉庫オーナー)著

英語版からの翻訳。内容に相違がある場合は英語版を優先します。